日本人に多いとされるナルコレプシーとは?主な症状や原因

下を向く 睡眠障害の基礎知識

ナルコレプシーとは

過眠症の中でもっとも代表される一つで、日中に過度の眠気に襲われ、場所や状況問わず眠ってしまう症状の病気です。ナルコプレシーの人は一回に長い時間起きていることができず、短時間の断片的な覚醒と睡眠を繰り返します。

実は有病率において、世界で最も高いのが日本人といわれています。その数は約600人に1人とされています。
発症年齢に関しては10代から20代前半に多くみられ、特に14〜16歳がピークを示します。

男女の有病率に関しては、差がないと考えられていますが、病院を受診するのは男性の方が多いです。
理由としては女性の場合、結婚して家庭に入る方が少なくないため、会社勤めよりも時間や生活をコントロールできる環境をつくりやすいことも影響しているかもしれません。

発症しても周りの人やあるいは本人でさえも気づかない場合もあります。単に眠気と格闘しながら耐えるのが普通だと思い込んでいるのです。医師にかかるのも遅く、診断されまでに時間を要することがあります。

当然、ナルコレプシーの人は日常に大きな不利益を与えます。大事な場面で、ミスが増えたり、集中力が保てず本来の力が発揮されないことが多いです。そのことにより、『なまけもの』のレッテル貼られてしまうことがあります。

ナルコレプシーの主な症状4つとその他

睡眠発作

日中耐えがたい眠気に襲われ、運転中や食事中に突然眠ってしまうこともあります。また眠気すら感じないうちに発作的に眠ってしまう恐れもあります。

睡眠麻痺

通常、まずノンレム睡眠が出現するはずなのに、ナルコレプシーでは突如レム睡眠が出現します。脳は起きているのに、体はいち早く眠りに入って動かない現象が起こり、金縛りになります。数分もすれば自然になくなります。

入眠時幻覚

寝付くときに幻覚が見えます。現実感があり、奇妙なものが多いです。睡眠麻痺に陥ってるときに入眠時幻覚をよく見ることが知られています。これも睡眠麻痺同様、数分以内でなくなります。

情動脱力発作

強い感情の動きが引き金となり、全身の筋力が抜けてしまいます。ろれつが回らないなどの症状のほか、ひどいときには、突然全身の筋肉が麻痺して倒れてしまうこともあります。

その他に自動症、夜間の熟睡困難、頭重、頭痛、複視

自動症

眠ってしまったことを覚えておらず、自分の行動を後から思い出せないことがあります。口をぺちゃぺちゃして音を立てたり、口をモゴモゴさせたり、手を振り回したり、手をもじもじさせたり、服のボタンをいじったり、こすりつけたりする身振り自動症や周囲を歩き回ったりといった歩行自動症などがあります。

夜間の熟睡困難

夜間によく夢を見て熟睡した満足感がありません。
何度も目を覚まして睡眠が分断されています。

頭重

頭が重い、締め付けられるなどの症状は頭重感と呼ばれます。

頭重感により、急に頭が重く感じてふらついたり、ふわふわしためまいを併発する人が多いです。

原因としては首こりや肩こりがあります。長い間の凝りによる体の緊張が、頭重につながります。また精神的な理由では主にストレスが考えられます。ストレスによって神経に緊張が続くと、締め付けられる感覚におそわれることがあります。

対策としては、緊張をほぐすことです。
こまめにストレッチしたり、ストレスが続いている場合は、のんびりした時間を作るのが大事です。

複視

ものが二つに見える症状を複視といいます。

人は通常、ものを見るときは両目で見ています。正常であれば両目で見ても一つのものは一つに見えます。
しかし、両目の視線が合わないために像が、上下・左右・斜めなどにずれて2つに見えてしまいます。

複視には、片目で見ても2つに見える片眼複視と片目で見ても一つなの両目で見ると2つに見える両眼複視があります。

ナルコレプシーの原因は?

完全にわかっているわけではありませんが、ナルコレプシーの原因の一つとして『オレキシン』という脳内の神経伝達物質が足りないことによると考えられています。

現在90%以上のナルコレプシーの人がオレキシンを作るニューロンが変性、脱落知ていることがわかっています。

具体的には、脳脊髄液中のたんぱく質「オレキシンA」の濃度が低いとされています。

分泌されたオレキシンは、脳のさまざまな場所にある受容体が受け取ると、脳が覚醒した状態になります。
逆にオレキシンが減少すると、受容体にオレキシンが届く量が減り、脳が睡眠状態へと促されます。

このようにオレキシンは、覚醒維持機構に関わっているとされ、欠乏することにより、覚醒が維持できなくなると考えられています。

これらのことから、アメリカではすでに脳脊髄液中のオレキシンA濃度測定が診断に使われています。

生活改善と薬物療法

今のところ根治療法はありませんが、多くの場合、薬物療法が有効です。治療薬は眠気止めの中枢神経刺激薬やうつ薬などを服用します。

しかし、まずは生活習慣を改善することが大切です。病気の特徴に合わせた計画な昼寝や夜間の睡眠の確保を行うことができれば薬の効果を最大限に保ったり、薬の服用を減らすことにつながり治療に役立ちます。

さいごに

長い時間治療を続ければ症状が軽減する例が多いといわれています。ですから基本的には長期にわたって付き合わなければいけないので根気よく続けることが求められます。

 

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