睡眠時無呼吸症候群の『閉塞型』と『中枢型』の違いとは?

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

男性の鼻を摘む女性 睡眠障害の基礎知識

睡眠時無呼吸症候群は大きく分けると、『閉塞型』と『中枢型』の2種類のタイプがあります。

似ている部分もありますが、発症の仕方に少し違いがあります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)とは

睡眠時無呼吸症候群にかかる人の多くは、閉塞型のタイプが多いです。
これは、生理的な原因と喉や鼻の形体異常の2つが重なることで発症します。

睡眠中は筋肉の緊張が抑制されてリラックスしているので、脱力状態になり、ぐったりします。喉の周りや舌の筋肉も同じようにぐったりするので、目覚めているときに比べると睡眠中は気道が狭くなりやすくなります。

それによって、無呼吸や低呼吸の状態になってしまいます。

また、仰向けになって眠る場合では、重力の関係で、舌やのどちんこなどが落ち込みやすくります。

健康の人の場合は、上記のような生理的な変化では、いびきをかいていたとしても軽度です。

しかし、主に肥満をはじめ、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎といった鼻の病気や扁桃腺の肥大、顎が小さいなどの骨格の違いでも、気道が塞がりやすい状態になります。

眠りに入るとみられる閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の症状

寝ている間に下記のような症状が閉塞性ではみられます。

周期的に繰り返されるいびきや無呼吸・低呼吸

1時間あたりに無呼吸や低呼吸が5回以上あると、睡眠時無呼吸症候群とされます。

寝ているときに呼吸が10秒以上ストップしている状態を無呼吸といいます。無呼吸とまではいかない状態ても、息を吸う深さが浅く、もう少しで止まりそうな呼吸を低呼吸といいます。

中途覚醒や熟睡困難

呼吸が止まって酸素不足になることで苦しくなり、目を覚ますことが多くなります。
睡眠の質が悪い状態なので、しっかり眠っても熟睡感が得られず、睡眠不足を感じます。

寝相がよくない

無呼吸なので、苦しく感じているのか、もがくような動作をしたり、睡眠の質が悪いので寝返りの数が普段より多くなります。

覚醒中に見られる症状

日中、起きているときに閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の影響で下記のような症状が現れる場合があります。

日中に強烈な眠気

夜間の睡眠が短く、深い睡眠がが減ってしまうので睡眠の質が悪くなり、日中に強烈な眠気が襲ってきます。つい寝てしまうだけでなく、倦怠感が強まり、集中力や記憶力が落ちて作業パフォーマンスが低下します。

寝起きの頭痛

睡眠中に何度も無呼吸や低呼吸になると、血液中の二酸化炭素が高くなり脳の血流が増えてしまいます。その他め頭蓋骨の中の圧力が高まることで頭痛が起こります。

胸焼けや喉の痛み

無呼吸や低呼吸になると息をしようと頑張って、いきんでしまうことがあります。いきんで腹圧が高まることで胃液が逆流し、胃酸が食道や喉を焼いてしまいます。

性欲低下や勃起不全(ED)

性欲低下やEDになる原因というのはさまざまですが、その中の一つで睡眠時無呼吸症候群が改善されたことにより、これらの悩みが解決された例があります。

その他

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の人は高血圧や不整脈、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病を合併しやすです。

中枢性睡眠時症候群(CSA)とは

中枢性睡眠時症候群(CAS)とは脳から呼吸の指令が出なくなるタイプです。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群では一生懸命呼吸しようと頑張ります。
しかし、中枢性睡眠時症候群では脳の呼吸中枢の働きに異常があるために呼吸をしようとする頑張りは見られません。

発症するメカニズムの一つとして、心不全の人に見られやすいとされています。

ただ、睡眠時無呼吸症候群の中でもこの症状になる人は数パーセント程度と少ないです。

年齢は中年から高齢者に多く、男性の方が多いと考えられています。

中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)で見られる自覚症状

中枢性の睡眠時無呼吸症候群にはどのような症状がみられるかといいますと、

閉塞性のものとそこまで違いまありません。

こちらの場合も、無呼吸、低呼吸によって睡眠が分断されてしまうので熟睡感が得られません。
そのため、日中に睡眠不足により、強烈な眠気を感じ、知らないうちに眠ってしまうこともあります。

また空気の通り道が詰まるわけではないので、基本的にいびきをかきません。ですが、閉塞性も合併してる場合、大きないびきや唸り声が聞かれます。(混合型)

治療法や対策

閉塞性の場合

肥満の場合は減量、CPAP(シーハップ)、マウスピース、手術などで治療します。また生活習慣の改善や枕を変えるなどでもよくなることがあります。

中枢性の場合

心不全などの循環器病の治療をしっかりやることで改善していく傾向があります。それでも、中枢性の症状が残る場合は、中枢性睡眠時症候群のための治療である陽圧呼吸療法のCPAP治療や夜間酸素療法を行います。

さいごに

日中の強烈な眠気やひどいいびき、熟睡が全く得られない人は睡眠時無呼吸症候群かもしれません。
またパートナーのいびきや無呼吸が気になる人。それぞれ病院にいくこと考えてみてください。

参考:不眠症の科学 サイエンス・アイ新書 坪田 聡

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました