むずむず症候群とも関連する病気で「周期性四肢運動障害」という病気があります。
周期性四肢障害とは
寝ている間に何かを蹴るように足がピクついたり、膝が素早く動いたりする動作を、睡眠中に一定の間隔で繰り返されるのが『周期性四肢障害』です。
加齢とともに増加し、60歳以上の人のに3割以上みられるとされています。
周期性四肢運動障害とされる症状
この病気の症状は、主に足関節を動かすのが多いのですが、中には手や膝、股関節まで曲げる人もいます。
持続時間は0.5〜5秒間で、20〜40秒くらいの間隔で生じることが一般的です。
上記でもお話した通り、眠っている間に足がピクピク動いたりする不随意運動(自分の意思とは関係なく体が勝手に動く)が連続して繰り返し出現します。そのため睡眠の持続性を妨げて、入眠困難や中途覚醒などが生じます。これによって熟睡感を得られません。
ちなみに、本人が動きを自覚していることもありますが、家族や一緒に寝ているパートナーから指摘されて初めて気づくケースが多いです。
また、本人が自覚していない場合、何があったのかわからず目が覚めることで、精神的な不満やストレスが残ります。
周期性四肢運動障害の原因
はっきりした原因は解明されていませんが、脳の神経伝達物質であるドーパミンの機能低下が考えられています。なぜなら、周期性四股運動障害とむずむず症候群は合併しやすく、ドーパミンを投与すると効果が得られ、逆にドーパミンの働きを阻む薬を投与すると足の運動が現れることなどから推測されています。
そのほか、周期性四股運動と連動して血圧が上がったり心拍数が増すことがあるため、交感神経活動の変動によって起こっているのではないか、ともされています。
周期性四肢障害の治療
基本的には、薬物療法となります。
先ほどもお話ししましたが、ドーパミン機能低下が関連しているといわれていることから、ドーパミンを正常に働かす薬が有効とされています。また、むずむず症候群やレム睡眠行動障害などで使われる抗てんかん薬を処方されることもあります。
自分でできる対策法
- カフェインやアルコール、タバコの摂取は控える
- 睡眠環境の見直し
- 激しい運動や、極端な安静は避ける
- 就寝前のマッサージ
カフェインやアルコール、タバコなどは症状を悪化させる要因となります。就寝前は特に控えることが重要です。
生活習慣を変えても症状に落ち着きがない場合は必ず睡眠専門の医師に診てもらってください。
参考資料:不眠症の科学 サイエンス・アイ新書 坪田 聡
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