眠れないと悩む不眠とは逆に、眠りすぎてしまう『過眠』もあります。
夜の睡眠はしっかり取れているのに、日中に耐えられないほどの眠気に襲われる人は、過眠症かもしれません。
過眠症とは
日中、社会生活に支障をきたすぐらい過剰な眠気、または実際に眠り込んでしまうことが少なくとも1ヶ月間、毎日のように続いている状態をいいます。
ただし、一回の持続期間が1ヶ月より短くても、繰り返し過眠がみられるものも該当されます。
主な過眠症の種類
過眠症は大きく分けると以下の種類があります。
ナルコレプシー
ナルコレプシーは、日中に過度の眠気に襲われ、場所や状況問わず眠ってしまう症状の病気です。
過眠症の中でもっとも代表される一つです。
ナルコプレシーの人は一回に長い時間起きていることができず、短時間の断片的な覚醒と睡眠を繰り返します。
発症年齢は10代から20代前半に多くみられ、特に14〜16歳がピークを示します。
発症しても周りの人やあるいは本人でさえも気づかない場合もあります。単に眠気と格闘しながら耐えるのが普通だと思い込んでいるのです。医師にかかるのも遅く、診断されまでに時間を要することがあります。
特発生過眠症
10代から20代前半にかけての発症が多いと一般的といわれています。夜間の睡眠は普通で、日中にナルコレプシーと同じような睡眠発作を起こすものや、夜間の睡眠が極端に長く日中の睡眠も長いものなどがあります。
眠気に関して、ナルコレプシーのような急に襲ってくる眠気ではなく、徐々に強まることが多く、眠気の強さに関してもナルコレプシーよりは弱いと考えられています。
またナルコレプシーのような情動脱力発作はありません。
ナルコレプシーに近いタイプは、薬の効果が有効である場合、薬により眠気を抑えることができるようですが、夜間、日中ともに眠りの長いタイプは、夜間に10時間以上眠り続け、日中横になり眠りに入ると、2、3時間眠ってしまう症状が生じます。
まだ原因がはっきりしておらず薬の効果も不十分で治療法や予防法は確立されておりません。
反復性過眠症(クライネーレビン症候群)
10代で発症する場合が多いとされ、女性より男性の方が割合が高いといわれています。
昼夜を問わず1日に16時間から20時間ぐらい眠る日が、不定期に3日から5週間程度(平均10日)の傾眠期(強い眠気がよ続きます。この傾眠期が年に一回から数回、起こるのが特徴です。
この間大きな声や強く刺激すると、一応目を覚ましますが、口数も少なくぼーっとしていて、集中力や注意力も欠けており、周囲への関心も低く、放置すると眠ってしまいます。
夢の中であるかのような感覚で現実感が薄く、ぼんやりした状態です。
病気の時期は、脳の活動性の低下がみられます。
病気の時期は、過食や攻撃性や奇行などの行動異常がみられますが、食事や排便に関しては自力で行えます。傾眠期と傾眠期の間は、健康な人と変わらない日常生活を送ることができます。
しかし、反復性過眠症は原因がまだわかっておらず、治療法が確立されていません。ひとたび、病気の症状が始まれば、治療が困難となりますので、予防するための薬物療法の工夫が必要です。
睡眠不足症候群
日常生活で慢性的な睡眠不足が続いている場合、過眠が出現していることがあります。
普段、日中にある程度の眠気が起こるのは自然ですが、この病気の場合は、その眠気が異常になります。
主な症状として、強い眠気、倦怠感、集中力や思考力の低下、攻撃的になったり、不安におそわれることもあります。
こうした症状から、社会生活において、仕事のミスや他者とのトラブルを起こしてしまう支障があります。
睡眠不足症候群の人は平均3〜4時間くらいしか眠らず、その分休日に10時間以上の過眠になるケースが多いです。
ですが、人は寝だめができませんのでこのような生活をしていたら、睡眠不足になってしまいます。
睡眠生活を見直して、十分な睡眠をとることが必要になります。
過眠症の原因
完全にわかっているわけではないですが、遺伝によって引き起こされているものと考えられています。
また過眠症は一次性と二次性のものに分けて考えられます。
一次性過眠症は原因のわからないもので、多くの過眠症は二次性(別の疾患によって生じた疾患による病気や症状)
によることが原因です。
それらの病気などを取り除いてやることで、過眠症の改善につながることがあります。
考えられる主な原因
- うつ病、不安障害、双極性障害に処方された薬の副作用や離脱
- アルコールや薬物による乱用
- 脳障害、非定型うつ病、尿毒症、線維筋痛症など
- 肥満体型の人
- 伝染性単核球症
- 子供のインフルエンザ
- ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害などの睡眠障害
さいごに
普段からしっかり睡眠はとってるのに、日常生活に支障をもたらすほどの尋常ではない眠気と格闘していたり、つい知らぬ間に居眠りをしてしまうことに心当たりがあれば、自分だけで判断しないことです。睡眠専門の医師に相談することを望ましいです。
コメント