人の体内には時計が入っている。これが体内時計の考え方です。
もちろん本物の時計ではなく、夜になると眠くなり、朝自然に目覚めるという人間の持っている本来のリズムを作っています。個人差はありますが24時間よりも少し長く、このリズムを概日リズム(サーディアンリズム)といいます。(概日とはおよそ1日の意味です。)
体内時計が狂うとどうなるの?原因は?
体内時計が狂うと次第に、不眠や疲労感などの症状が現れます。
それだけにとどまらず、肥満や美容にもかかわっていくといわれています。睡眠不足は食欲を増進させる傾向があり、それによって肥満につながりやすくなります。
さらに不眠だけでなく、生活習慣病も引き起こされることがあります。予防のためにも、体内時計をしっかり整えることが大切です。
また体内時計を狂わす原因は、主に生活習慣の乱れや老化にあります。夜更かしや夜勤、それらに加えて暴飲暴食、運動不足などによっても乱れやすくなります。
特に、夜、光を浴び続けることで、体内時計は狂いやすくなります。
スマートフォンやパソコン、コンビニなどの24時間営業が当たり前となった現代では、体内時計を狂わすものが身近に存在しています。体内時計を狂わさないためにも最後に紹介する体内時計を調整するポイントは最低限押さえておきたいところです。
そもそも体内時計はどこにあるのか?
体中の細胞のほとんどに時計が存在しています。脳や皮膚、臓器などにも偏在しています。これらの細胞に1日24時間というリズムを刻まさせているのが時計遺伝子というものです。
それぞれの時計はバラバラに時を刻んでいるのではなく体内時計の中枢からの指令を受け取りリズムを刻んでいます。
そして体内時計の中枢とは、脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)と呼ばれる部位にあります。一般によく言われる体内時計といえば、この視交叉上核体を指す場合がほとんどです。
体内時計は光の刺激によってリセットされ、時刻を整える
概日リズムは24時間より少し長く、このままでは地球時間とのズレを生じてしまいます。
このズレを解消しリズムを作るのは、朝の太陽の光です。朝の光を浴びることによってリセットし、24時間よりも少し長い体内時計の周期を短くして地球時間に合わせています。
大まかな流れとしてはまず、目から太陽光が入ることでセロトニンというホルモンが分泌されます。それにより自律神経に働きかけ、交感神経が刺激され、覚醒し、活動する状態に体内環境を整えます。こうして体内時計にリセットされた時刻から12〜13時間は、活動するのに適した状態にしてくれます。
また朝の光を浴びて14時間ぐらい経過すると、脳内の奥にある松果体からメラトニンというホルモンの分泌が始まります。松果体から分泌されたメラトニンは、眠りを誘発させ、体温やその他のホルモン分泌を調節する働きもします。
もし朝の起床時に太陽の光を浴びなかった場合や、暗い部屋で昼過ぎまで眠っていると、体内時計は適切にリセットされません。
それゆえ、夜決まった時刻に入眠しようとするなら、毎朝起床後はカーテンを開け朝日を浴びて体内時計をリセットし、メラトニンを決まった時刻に出せるようにコントロールする必要があります。
最低限押さえておきたい、体内時計を調整する4つのポイント
起きる時刻を毎日一定にする
平日の疲れのため、休みの日は寝坊してしまうことはありがちですが、生活リズムが狂うと体内時計が狂いやすくなります。もし寝坊しても2時間までに心がけましょう。
休日はもうちょっと眠りたいと思う方はこちらを参考にしてください。
起きたら朝日を浴びる
上記でも説明しましたが、朝の光によって体内時計はリセットされます。起きたらカーテンを開けて、日光をしっかり浴びましょう。
朝食をとる
朝食をとるのは、体に朝が来たことを知らせるためです。朝食を抜くと体内時計の調節ができない恐れがあります。
夜はなるべく光を浴びない
寝室は照明が明るすぎると睡眠に悪影響を与えます。また寝る前、スマートフォンの使用はできるだけ控えるのがベストです。画面の光は脳を覚醒して、寝つきが悪くなることがあります。
さいごに
体内時計が狂って不眠、疲労など続けば快適な生活を送ることは難しいです。
できるだけ生活リズムを崩さずに、一定に保つことが生活の質の向上につながります。ぜひ体内時計を意識して生活を送ってください。
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